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星くず

読む順が後先になってしまいましたが、「由似へ…」では亡くなっていた由布子が主人公の青春記です。心臓が弱くて学校も休みがちな由布子が出会った都築宏司は、不治の病と言われていた白血病を患っていました。なんたって20年以上も前の作品ですから、病気や治療法については現代の常識で突っ込んではいけません。

余命を知りながら懸命に生きていく宏司に由布子は次第に惹かれていきます。宏司は全てを明らかにした上で由布子との付き合いを認めてもらいに単身で由布子の両親に会いに来たり、とにかく潔さが半端じゃない。「悔いは残すなよ」という反面で「星になってラブサインを送る」と言う宏司。これぞ少女コミックの王道といえる作品です。

宏司の死後も物語は続きます。ヒーロー殺しちゃってどうするんだ?の疑問に応えるべく登場したのが香坂茂です。「宏が太陽なら茂さんは水」と由布子が言うように、深い愛で由布子を癒し、支え、生涯の伴侶となる男性です。もっとも登場時は危なっかしげな兄ちゃんでしたが。それがすばらしく出来た男になるんですから、人生ってわからないもんです。宏司を亡くして以降の由布子は、ただ生きているだけでなく、生きていると実感できる手応えのある人生を送りたいと願い続けてきました。病気であっても心豊かに生きること。現代人に忘れがちな人生観を気づかせてくれると思います。

40861734254086173433星くず (上)   (下)
大谷 博子
集英社 1997-11

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