「やさしい竜の殺し方」が角川ビーンズ文庫から再販されたのとコミックの発売とを記念して企画された全員プレゼントが到着しました。小冊子ながらも表紙のカラーがきれいです。全プレの目的は、もちろん津守時生の書き下ろし小説「つらなる竜の愛し方」です。
「つらなる竜の愛し方」は、ビーンズ文庫第6巻に続く内容です。6巻の「たのしい竜の出会い方」に登場したドラゴン・オーブの守である四長老の関係を知っていないと楽しめないかもしれません。知らなくても、アークとウルのらぶらぶ漫才は健在ですが。いつもながらお熱いですよ。
「つらなる竜の愛し方」の舞台は、幻獣たちの故郷・陰界です。地竜マザランが危篤になり、次代の長老を選定する必要ができたため、成り行きでアークがウルたちに同行します。ウルの駄々っ子モードを制するのはアークだけだから。オーブの洞窟を訪れたウルは、臨終の床にあったマザランに長年の感謝を込めて祖霊憑依魔法を発動させ、彼の父炎烈王セファイドを呼び出してくれたのでした。いくつになっても親は親であり、子は子のままであることを強く感じさせる再会です。あまり語られることのなかった不動のマザランの想いがよく伝わってきました。その後の一悶着は、アーク対メシエの第二ラウンドです。
老いてもなお往年の美貌をとどめるドラゴンの化身と、どんな美女も顔色を失うと謳われる美貌の聖人が、優しく微笑みながら優雅に罵倒し合う。
長寿のドラゴンでさえ背筋を凍らせたふたりの戦いがこの物語の最大の見せ場でしょう。アークの本性全開で、読んでて楽しい、楽しい。ウルとラブってるアークもステキですが、やはり彼の魅力は戦っている時でないとね。
そして最後のびっくり箱は、ウルのお父さんでした。竜にも引きこもりってあるんですね。しかも女嫌い。裏を返せば、男OK。ウルの嗜好は血筋です。その大元は、やっぱりご先祖様に行き着くわけで、どこまでもお騒がせな炎烈王というオチでした。

やさしい竜の限定本と絵はがきのセット

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