懐石料理の老舗、深堀屋の八代目(予定)賢司郎のタイムスリップした先は、170年前のお江戸で、二代目宇吉が店を借金の形に取られたところでした。現代の知識を少し足した料理で再出発!と、子孫がご先祖様を助ける展開なわけです。当時の生活様式を踏まえての話作りで軽いながらも落ち着いて読ませてくれました。遠山金四郎など、実在の人物をさりげなく混ぜるところも心憎いです。
料理人の物語なので、当然ネタは料理です。しかし、江戸時代の一品料理は、現代に比べると調味料の幅が狭い!けれどもそれを補って有り余るほどに素材に恵まれていました。よいものをじっくり使い込む、江戸の気質をうまく活かした物語です。
グルメ漫画というと、とかく料理比べな展開が多いですが、人情と技によって宇吉は自分の料理を形成していきます。その姿勢は、謙司郎にも影響を与え、調子のよいだけの若者から真面目な料理人に修正していくのでした。最後は、めでたしめでたしで気持ちよく終わるのも私好みというところでしょうか。
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