登場人物は猫です。でも擬人化してあります。そして何故か江戸時代風。ヒロインのあやは黒猫の子猫でおばあさんに飼われています。だから仕草がとってもかわいく、いかにも年寄りが甘く育てている女の子風です。好奇心旺盛な子猫でクールなシロボシもあやには形無し。いつも振り回されています。シロボシはそれなりにお年頃の青年猫なので、あやを愛しく想いながら成長を見守ってる感じかな。
江戸時代風なので猫の爪が日本刀になってます。刀を研ぐ=爪を研ぐ。だから無頼の雄猫は浪人風。それがまたよく似合うんですね。ほんわかした絵なのに喧嘩シーンはぴーんと張りつめた感じで物語にメリハリがあります。いかにも雄猫同志の戦いって感じです。ご飯も煮干しとかねこまんま、おかかなど素朴で風情があります。食べてるシーンがまたかわいいの。あやは最初からシロボシが好きで、シロボシの行動にドキドキしたり、心配したり、嬉しかったり、哀しかったり、世の恋する乙女達となんら変わらない反応を示すので、後半はそんなあやの恋物語を楽しめました。飼い主の「ばばさま」との関係も微笑ましくて、しっとりとした古き佳き和風テイストを味わえる作品です。
<作品データ>
【タイトル】無頼猫 全2巻
【作者】高野 宮子
【出版】新書館 1999-09
【同時収録】背中、ルーシー イン ザ スカイ
【内容】猫は所詮三界に家なし、無頼。どこと知れぬ場所に生まれ、どこと知れぬ場所に果てる、誰にも見られずに…。灰かぶりの流れ猫・シロボシとチビの黒猫・あや。弐匹の猫が織りなす、特別な感情と優しさのラプソディ。可笑しくも穏やかな生活を送る二匹だったが、ある時、宿敵・銀がシロボシを探しているという噂が耳に入る。

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