数学は好きだけど苦手。そんな矛盾を抱えた人、案外いるのではないでしょうか。
石川英輔さんの「数学は嫌いです!」は、そんな中で読んだ本でした。
![]() | 数学は嫌いです!―苦手な人のためのお気楽数学 石川 英輔 講談社 2004-07 買い物に行ったときのお釣の話から二次方程式へ。 また、蛇口から垂れる水の量から積分の話へ。これ一冊で数式も苦じゃなくなる! 数学嫌いを大変身させてくれる目から鱗の名教則本。 |
タイトルで言い切っているように、この本は気楽に読める娯楽本であって、専門書ではありません。数学が嫌いな営業のマナブくんが経理のカズコさんに、まんまと日常に置き換えられて方程式から微積分までを学んでしまうお話です。実生活にそのまま当てはまる内容なのですが、現実にどのくらいの人が、数学していることやら。四則計算以外にも数学が必要であることは、頭ではわかるんです。しかし、問題集の現物を見ると避けたくなってしまう、この矛盾をどうにかしてくれ。
江戸時代で奉納されている絵馬に高度な和算の問題が記されていることから、当時の人々は娯楽として数学を楽しんでいたらしいですが、私にはその方が信じられません。春本ならわかるけど。
結局、数学が身近な学問であることは納得できましたが、苦手意識がなくなったかというと、かなり怪しいです。けれども、頭ごなしに「数学は嫌い」と言ってる人には、目から鱗の部分は多いと思います。少なくとも「食わず嫌い」ではなくなっていてほしい。そんな願いが聞こえてくる本です。
作者の石川英輔さんは、ユーモアたっぷりのSFを書く方で「大江戸神仙伝」シリーズはドラマ化されてます。同時に江戸時代の生活事情に関する著作も豊富です。どれも語り口がユーモアにあふれてます。
生活事情に詳しいから、生活に密着した数学を話題にできたのだと思います。でも、数学の苦手な人は「数学」の文字だけで敬遠しそう…。一番手に取ってもらいたい人に手にしてもらうことが、一番の難関かも。


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