「動物のお医者さん」は過去、テレビ番組にもなりましたので、かなり有名な作品だと思います。
知る人ぞ知るH大の獣医学部生、西根公輝と彼を取り巻く人々と動物の物語です。シベリアンハスキーが人気犬となりやがて飽きられていったというおまけ付き。ハスキー犬が柴犬より賢くないことは、あらかじめわかっていたことなのに…。人間の身勝手さが垣間見られた瞬間でもあります。
それはさておき、個性的なキャラ(動物を含む)のなかで一番のお気に入りは菱沼女史。あまりにも本人に似ているからと言う外部の意見は無視します。単に親近感が湧いただけです。ユニーク度では漆原教授を上回る人はいないでしょう。同情すべきは友人の二階堂くん。いちいち挙げていたらキリがありません。それほどにみんな魅力的なのです。共通点は優しさかな。むろん人間に限ったことではありません。野生の動物にだって、愛情をもって接しているのです。
何気ないキャンパス風景ですが、女子の奮戦が目立つところに未来性を感じられます。医学の世界は人間でも動物でもまだまだ男子優先です。医者は体力が勝負の決め手の世界のひとつですから、男と女の体力差はどうしようもありません。だからこそ頑張っている女子学生にエールを送りたくなるし、西根家の女たちのパワフルさに憧れるのです。万全とはいえない環境の中で主人公達の学生生活が淡々と過ぎていきます。喧噪の中にも公輝は己を失わず生きてる。まさに我が道を行く。これもまた現代っ子の姿のひとつでしょう。それでいて、ほっこりした優しさを感じられる作品なのです。
![]() | 動物のお医者さん (第1巻) 佐々木 倫子 白泉社文庫全8巻 H大受験前、その構内に足を踏み入れたときから、ハムテルの運命は決まっていた。怒った顔でも実は心優しいシベリアン・ハスキーのチョビ、関西弁姉御肌の猫のミケ、傍若無人・暴れん坊鶏のヒヨちゃん、小さな幸せが嬉しいスナネズミ、そして西根家をとりしきるハムテルの祖母。片や、ネズミ嫌いの友人二階堂、アフリカ狂いの漆原教授に低血圧変温人間の菱沼聖子ら超個性派勢ぞろいの大学の面々に囲まれて、獣医師への門は開かれた。(第1巻より) |


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