- 2005年10月18日
- 枕元に一冊
一度出会うと生涯離れられない運命の相手を持つ星の下に生まれた海老原タイと有楽一生。二人の出会いは受験前に街中でのすれ違いから始まった。ふたりが意識しようがしまいが、離れそうになると局地的ながらも天変地異が勃発。こういうのを出会うべくして出会ったというのだろうか。常識では考えられない運命を受け入れてふたりは高校生活を送っていく。
普通、男のは占いなんか信じないと思うんだけど、そこは占い師ルイルイビーナス先生(実は一生の叔父有楽一刻)の登場であっさり解決。物語が進むぬ連れて一刻の存在は重要なものになっていく。たかが占いと馬鹿にできない重みがあるのだ。なにしろ、彼の助言がなければ、第二部で運命のもつれが修正できない。
第一部と第二部に分かれているので、物語の山場もそれぞれ別にある。第一部では、ロミオ・ラリーと誘拐事件。第二部ではフルマラソンと要の呪い解除。スポーツと事件とがほどよくミックスされていると思う。ドラマティックなのはロミオ・ラリーだが、展開上面白いのはフルマラソンかな。どちらも一生の魅力がたっぷり。ただ、秋田書店版は第一部しか収録されていないので、冬水社版で買うのがベター。
生まれつき心臓の弱いタイちゃんだけど、それゆえに彼の心は優しく強い。チープに言えば、他人を思いやる優しさだが、それを無条件に貫き通せる強さが加わることで、人としての強さが強調されていると思う。他人を助けるために彼が取った行動はあまりにも潔すぎるが、その時、タイちゃんにも迷いがあった。それでも「後悔とか、迷いとか、そんなことは後から考えればいい」と他人を助けることに集中している。一生とは違う男気のあり方がタイちゃんの優しさなのだろう。
<作品データ>
【タイトル】海老原さん家は今日も大変!
【作者】東宮千子
【出版】冬水社リバイバルコミックス 全7巻
【物語】男同士の夫婦に育てられたタイちゃんは、ちょっぴり体は弱いケド心優しい男の子。フツーの人生を望んでるタイちゃん。でも、一度出会うと二度と離れられない『運命の相手』一生と出会った以上、もう普通じゃいられない!? ハイセンス学園コメディー (第1巻より)
雨の中、自分を待ち続けてくれた一生を許そうと思ったタイちゃん。だけど翌朝、いつもの場所に一生はいなくて…? 一方、一生は叔父・一刻から極運星の相手が自分と同学年にはいないと告げられる。タイちゃんを運命の相手と信じていた一生は愕然とするが…!?運命の星の試練に二人は…。 (第2巻より)
数々の伝説を残し、ロミオラリー閉幕!血だらけになりながらも優勝を果たした一生がタイちゃんの腕の中で幸せ気分に浸れたのも束の間、今度は一生の実力を目の当たりにした運動部が一生獲得に乗り出した。交渉が決裂すれば自然科学部もタダでは済まない。さぁ一生、どうする…!? (第3巻より)
タイちゃんを「蝕の星」に預け二度と会わない決意を固めた一生。だが嵯峨沢を訪問中、タイちゃん拉致の知らせが入る。自分だけが聞いたタイちゃんの悲痛な叫び…。タイちゃんを守れるのは自分だけだと思い直した一生は…!?海老原さん家誕生秘話も見逃せない (第4巻より)
直人、守の突然の長期海外出張で、一緒に住むことが決まったタイちゃんと一生。タイちゃんを守る役目をおおせつかってごきげんな一生だけど、周囲の一生への本音の声はただ一つ、「タイちゃんには手を出すな」!?(第5巻より)
第25代、海老原「要」誕生!そしてリュウちゃん企画・運営による「夢の嘉月・一生マラソン対決」が実現する。ロミオラ リーの感動再び!? といきたいトコだけど、優勝しろと言ってくれないタイちゃんに、一生は不機嫌爆走中で!?(第6巻より)
遂に始まったマラソン大会。タイちゃんへの本気を賭けてひた走る一生と、力いっぱい一生を応援する元気タイちゃんの熱い闘いは、今まさに最高潮!! 一方、5Xジンクスがさらなる事件を呼び起こし…!?(第7巻より)
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