- 2005年7月 9日 16:03
- 枕元に一冊
興味本位で読むなら止めた方がいい。六花チヨさんの「IS―男でも女でもない性」を初読したときの、それが素直な感想でした。
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【著者】六花 チヨ
【出版】講談社
IS(インターセクシャル)という個”性”。
性別にも個性がある!確率として2000人に1人。
「男」と「女」の間をつなぐ"IS"を知ってください。
ジャンルを問わずいろいろな本を読んでいたこともあり、「IS」のことは辞書で調べれば出てくる程度のことは知っていました。ただ、この漫画を読んだのはその繋がりではなく、全くの偶然からです。家族系の漫画を読んでいて、たまたま2巻の表紙が目についてなりゆきで読み始めたら面白かった。じゃあ、全巻読んでみよう。そんな感じ。1巻は短編の読み切りですが、2巻、3巻は続きで、まだ連載されているようです。
現行の戸籍制度では「男」か「女」であることが求められ、社会も「男」と「女」で形成されている。主人公やその家族の悩みは、柔軟性のない社会への警告ではないの?あとがきで、デリケートな問題だと記されてますが、均一であることを求められている日本だからなおのこと慎重であることが必要なのでしょう。ありのままを受け入れることができれば、個性として捉えることができますから。「女のくせに男並のことをする」と言われ続けてきた身としては、おぼろげながら理解できるような気がします。
2巻からISの春が主人公です。戸籍上は女だけど春の心は男より。両親は「男として届けるべきだったか?」と悩み始めます。春の悩んでる姿を見て、「恨むならそんな風に生んだ母を恨め」というシーンは胸を打ちました。「家族は船で、春がガソリン」と言う姿にも感動。家族の絆についてもよく描かれていると思います。
3巻になると春の心に変化が訪れます。同時に現在の性同一障害問題と絡めて新たな展開も。で、このあたりから、思春期の揺れが加わってきて、興味本位で読んでいい本じゃないと思ったわけです。春の物語はまだ未決なので、この地点での感想は正直、難しい。ただ、読み続けたいという気持ちはあります。絵柄は並ですが、心理描写のコマなど、すとんと入ってくるうまさがある。イマドキの路線からは外れてると思うけれど、じっくり腰を据えた作品としてピックアップです。
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