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芋奉行 青木昆陽

芋奉行 青木昆陽
羽太雄平
光文社 1997-05
文庫本も出てるはずですが
図書館や古書店で探すことになると思います
書物御力掛かりを勤める青木文蔵(昆陽)は、寺社奉行・大岡越前守の命を受け、「古書探索」の旅に出た。連れは御庭番の左吉と剣術修行の松浦慎次郎。甲州道中、二人は怪しい襲撃者から文蔵を守る。世俗に疎く、非力な文蔵だが、やがて「古書採集」の旅の背後に、隠し金山を巡る暗闘が存在することに気付く。薩摩芋の栽培を奨励した男が謎を解く、痛快ユーモア道中記。

古書採集の道中記風に描いてありますが、その実態は、隠し金山を巡る時代劇ミステリーです。それに少し内山家姉妹の恋話が絡んで、脇筋も賑やかで飽きさせない展開になってました。殺伐とした忍びの飛び交う中で、うだつの上がらない風采の文蔵が冴えたひらめきで淡々と古文書をめくっていく姿が妙に笑えます。町人の学者先生は、どこまでも文官なのでした。

羽太雄平さんの作品には忍者が欠かせません。非情なようでも部下の家族を思いやる姿など、日常の裏姿を垣間見せてくれるところも好きです。時代劇で格好良く立ち回るお庭番の悲哀が浮き彫りです。武士だけが人じゃないんだよという叫びが聞こえてくるようでした。でも、そこで卑屈にならず、ちゃっかり生き延びるすべを発揮するのが左吉です。主人公は間違いなく文蔵なのに、左吉と一緒に武家屋敷を探りまわっているような感覚で読めました。

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