折原みとさんの一番長い作品ということで「神様の言うとおり!」です。短編はみずみずしい優しさで定評のある方ですが、長編はどうかな?我ながら選択基準が意地悪いと思いながら読みました。
![]() | 神様の言うとおり!(全6巻) 折原みと ホーム社 |
今日から共学になっちゃう!! みんなは喜んでるけど、男性恐怖症の鈴女は、恐怖! その上、外国から講師のユーリー先生とボウイたち留学生は隣人になるし、うさぎの外見をした神様(宇宙人)から宿敵デビルと戦うゴッドフォースの紅一点に選ばれて!?
学園物かと思いきや宇宙人に超能力者の出現でSFか!?と思わせますが、内容は乙女チックなファンタジーでした。まず、楽しいのはヒロインの名前。本人もからかいの対象になることを嫌ってるくらいですが、鈴女で「すずめ」と呼びます。その名のとおり、どこにでもいるような平凡で、でもちょこちょこ動き回ってしゃべるかわいい女の子です。彼女の従姉妹さーちゃんはそれとは対照的に才色兼美のしっかりもの。ゴッドフォースのメンバーもなぜさーちゃんでなく鈴女がメンバーに加えられたのか不思議に思います。でも、神様(宇宙人)の命令は絶対でした。
見た目がうさぎのぬいぐるみな神様なのに迫力は十分。言ってることがちゃんと理論に叶ってるんです。番外編で神様が別の姿でちょっと出てきますが、見た目はその方が目の保養です。でも、あの姿ではこの物語が破綻すると思いました。神様がうさぎのぬいぐるみだから良かったんです。敵対しているデビルも似たような設定です。ぬいぐるみデビルがさんざんな目に遭うエピソードは面白かった。
本編での戦いは少女まんがに珍しくサイキックです。最大の力の持ち主がボウイ。鈴女が加わったのは、彼女がボウイの力を最大限に引き出せるからです。それこそが神様の求めていた力でした。鈴女の母であり美人女優である亀ちゃんも子供の頃神様に出会っていた過去があります。そこで神様には亀ちゃんの優しさが最強だとインプットされてたんですね。お母さんがちゃんと種まきしてくれてたのでした。親切は人のためにならず、の典型的なパターンがそこにあります。
初めは何もできなかった鈴女が努力していくうちにゴッドフォースのメンバーらしい自覚を備えていきます。面倒をみてくれるボウイに惹かれていくのはお約束。両思いになるまでに一波乱ありますが、ふたりの身体が入れ替わってお互いの良い面を認め合うのはちょっと変わった恋愛模様です。互いを信頼し合うテーマの物語にピッタリのエピソードでした。デビルに打ち勝つ決め手も結局はそこに行き着きます。長編であっても折原さんらしい優しくて元気の出る作品でした。


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